堀之内登製作所 製造終了のご案内

堀之内登製作所 製造終了のご案内

木刀業界 黄金期の終焉

星道では、創業以来、純日本製武道用品を作り上げている各工房の職人とのコミュニケーションを大切に、各工房が直面している様々な問題にともに向き合い、また、一方で日本の職人技術の素晴らしさや純日本製商品の質の高さを世界に発信する活動を精力的に取り組んでまいりました。
この度、宮崎県都城市に現存する4つの木刀工房のひとつである堀之内登製作所が、2019年9月末日をもって製造を終了することとなりました。

これまで、年々減少傾向にある工房の存続・発展を支援すべく、昨今の小売店間の低価格競争に加わらず、各工房の職人、お客様がご満足いただける適正価格の設定を常に心がけてまいりましたが、今回の堀之内登製作所の突然の廃業の知らせを受け、私たちの力不足を痛感し、今はただただ残念でなりません。

堀之内工房からの文面には、廃業の主な理由として、昨今の原材料の質の悪化、社員の高齢化、後継者不在等の理由が綴られておりましたが、これら問題は、堀之内工房だけでなく、現代の日本全体の問題でもあり、特に日本のものづくりの世界においては武道用品業界だけでなくどの業界でも直面している課題です。

また、このように日本の小さな工房が閉鎖に追い込まれてしまう問題のひとつに、昨今の原材料の減少・価格高騰にともない卸値を引き上げなければならならない現状に対し、製造元が販売店への配慮を優先し、値上げに踏み切れないでいる工房が数多く存在していることです。

現に、都城の木刀工房では、昨今の良質な木材の減少、原材料の価格高騰といった現状に反して、創業以来、価格の引き上げを行ってこなかったとのことです。しかしながら、低価格での卸価格を経営努力の中で維持してきた結果、安価な木材での製造を余儀なくされ、商品の品質は落ち、いい商品を作りたくても作れない状況が職人としてのプライド、モチベーションを低下させる原因ともなってしまいました。一方、本来の労働時間に見合った収入を得ることも難しいという労働環境に追い込まれてしまい、結果、若者の工房離れ、そして、職人の高齢化による後継者不在という悪循環に陥ってしまっている、というのが実際に私たちが都城の職人から話を伺った木刀工房の現状です。

堀之内修氏と当社代表ドゥラジュ ジョルディ (2013年)

堀之内修氏と当社代表ドゥラジュ ジョルディ (2013年)

今後の堀之内製の木刀製造について

都城に現存する4つの工房の中でも、堀ノ内工房は様々な古流木刀の製作をしていた独自の専門知識を兼ね備えた唯一の工房だったため、世界中に数万人といる古流の武道家からも愛されていました。

今後は、堀之内工房がこれまで培ってきた古流木刀の製作技術を絶やさないよう、今まで堀之内氏が製作していた古流木刀を荒牧工房をはじめ、他の工房に依頼し、知識・技術を継承させていくのが私たちの使命だと考えています。

幸運にも、星道では、日本で堀之内氏しか製作できなかった数十本という木製武器がサンプルとともに仕様・寸法をデータで保存されているため、今後は、堀ノ内工房のオリジナル製品だった古流武器などは、主に荒牧工房にて製造を依頼し、その技術を継承してもらう予定です。

堀之内登製作所に隣接する木刀展示館

堀之内登製作所に隣接する木刀展示館

今後の価格、納期について

一方で、堀之内工房で製作していた様々な古流木刀の価格は、現時点では他工房にその型が存在しないため、全て一からの製作となり大幅な値上がりが見込まれています。実際のところ、型の製作や機械の調整などをするのに数年以上かかる見込みとのことで、年間を通して生産量の少ない木製武器については、1.5~2倍程の値上がりが避けられない状態となっています。しかしながら、今回の件によって他の工房の職人への負担がさらにかかることを考えると、やはり工房存続のためにも商品価格の改定は不可欠です。製作にかかる時間についても、現時点では明確ではないですが、これまでの製作期間から変更がある場合には、分かり次第、改めてご案内いたします。

実際のところ、堀之内工房の木刀製品は国内の小売店に多く卸されており、国内の武道用品製造に占める割合も大きいものでした。そのため、今回の突然の堀之内工房の廃業は、国内の武道業界、そして世界中の武道家を長期にわたり揺るがすことになるでしょう。

星道は、宮崎県都城で製造される木製武器に魅了され、創業以来、都城の4つの全ての木刀工房と取引をさせて頂いてきた国内の武道用品店で唯一の会社です。今、私たちができることは、堀之内氏が長きにわたり継承してきた知識や技術を絶やすことがないよう、堀之内氏にかわり、他工房が受け継いでいくための橋渡しとなることだと考え、責任を持って着実に実践してまいります。

そして、この木刀業界の混乱が一日も早く安定し、他、3つの木刀工房がそれぞれに抱える問題の解決の糸口を見つけ出せるよう、今後も密に都城の職人とコミュニケーションをとりながら、日本の木刀技術の継承、木刀工房の発展のため、尽力してまいりたいと思います。

・堀之内登製作所の職人

堀之内登製作所の職人

--- オンライン販売の現状について ---

現在、一部商品の除き、堀之内製商品の製作を荒牧工房へ切り替える移行作業を行っております。

商品画像や価格は、順次、更新をしてまいりますが、全ての商品の移行が完了するまでは、数ヶ月間かかる可能性がございます。何卒、ご理解の程、よろしくお願いいたします。

今回の堀之内工房の製造終了にあたり、他、ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

荒牧康雄氏

荒牧康雄氏

5 コメント - 堀之内登製作所 製造終了のご案内


Gary が公開しました。

So sad


Joris Somersが公開しました。

This is World Heritage!! It should be preserved.


Jordy Delageが公開しました。

Hi Bien,
Probably, yes, as we’re taking care of this right now. But it will take some time, and it will be more expensive than it currently is because it will be entirely handmade.


Bien Nguyenが公開しました。

Is Shindo Yoshin Ryu bokken will be made by Aramaki shop going forward?


Sebastianoが公開しました。

So sad to hear this :(


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