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  • 国産木刀製造業の危機 | 2019年秋、木刀や杖などの国産木製武器製造の今後について、ブログ記事を掲載しました。当時、国産木製武器の約4割程の生産量を占めていた工房・堀之内登製作所が閉鎖し、それ以降、宮崎県都城の国産木製武器の生産力は急落しました。残された3つの木刀工房では、それまで堀之内工房で製作されていた木製武器の製造も担うようになりました。現在の木刀製造現場の状況はどのように変化していったのでしょうか?

木材の種類 & 杖・木刀の選び方

日本の職人による木製武器について

当店では、木刀生産で有名な宮崎県都城市に現存する4つの工房全てから木製武器を直接仕入れています。
道衣・袴・帯と違い、木製武器は不良品や品質の悪い木材を使用した武器を使うと大変危険です。 木製武器をご購入される場合は、安全で高品質なものを購入されることをお勧めします。

木製武器を購入する際には、まず、初級者か有段者か、週にどのくらい使うか、どのような合気道をしているか(流派・先生の指導方針)がポイントになります。 合気道では流派や先生の指導方針によって型を重点的に行っているところもあれば、実戦的な稽古を重点的に行っているところもあるからです。

・ 初級者の場合:重量や強度、価格などを総合的に見て「イチイ樫(赤樫)」がお勧めです。
・ 実践(打ち合い)の稽古がメインの場合:「本赤樫」や「白樫」のような強度の強い木材で作られている武器をお選び下さい。 強度が弱いと、折れる可能性があり大変危険です。
・ 素振用として使用する場合:「スヌケ」「紫黒檀」がお勧めです。

一般的に、広く使われているのは「イチイ樫(赤樫)」「本赤樫」「白樫」です。 「スヌケ」「椿」「紫黒檀」「縞黒檀」は贈答品としてよく購入されています。
また、使用される方の体格や性別、成人か子供かによって選ぶこともございます。 子供や女性は軽い木材の「イスの木」「椿」「ブナ」が、男性には「白樫」「本赤樫」がお勧めです。

当店では、木材の在庫、各工房の特徴、工房の製作状況などを見ながら、都城市の4つの木刀工房から入荷していますので、同じ木製武器であっても製作工房が異なることがございます。
通常、ご注文時のショップにある在庫の中から商品を選んでお送りさせて頂いておりますが、工房のご指定や重さや色味などこだわりがある場合は、事前にお問い合わせ頂くか、商品をご購入の際の備考欄にその旨をお伝え下さい。
以下のリストでは、木材についての詳細を説明しています。

木材と型による重量

【標準木刀】
普及型木刀・特製型木刀は、剣道や合気道で一般的に使われている木刀で、 軽く重くもない標準の重量の一般的な武器です。 剣道型と呼ばれることもあります。
4.21尺・8分杖は、杖道や合気道で一般的使われている杖です。

【軽量木刀】
柳生流のような軽量木刀は各流派以外の稽古でも使われています。
軽い木刀はスピードと精度を磨く稽古に最適です。 木刀が軽ければ軽いほど、正確さが求められ難しくなります。 合気道開祖植芝盛平もよく使用していたと言われています。
肩を痛めている方や、子供、女性にもお勧めです。

【重量木刀】
岩間流大刀をはじめ、武産大刀は合気道岩間流、また合気会の岩間道場で、普及型大刀の代わりに使われています。
全体的に重い木刀や杖は鍛錬稽古として使われており、素振りの練習などにもお勧めです。
正しい使用法で稽古をしないとケガをする恐れもありますので、初心者には不向きです。

標準仕上げ vs 星道デラックス仕上げ

2021年より、労働者の健康安全上の観点から「ニス仕上げ」の木製武器から天然素材を利用した仕上げ方法へ切り替えています。

標準仕上げ:
工房から納品後、最終仕上げとして純椿油を使用した「油磨き」を当店で行います。(標準仕上げ) この「標準仕上げ」では、当店にて「油磨き」を行った後に出荷いたします。油磨き以外は、追加の研磨仕上げは行わず、工房から納品された状態のまま出荷いたしますので、木製武器の表面に粗い箇所が僅かに残っている場合がございます。
日頃のメンテナンスとして、月に1回、椿油等の植物性油を用いた「油磨き」を行っていただくことを推奨しています。

星道デラックス仕上げ:
当店オリジナルのデラックス仕上げです。工房からの納品後、当店にて純椿油を使用した「油磨き」を入念に行いながら、サンドペーパーで粗さの残る部分を丁寧に磨き上げていきます。その後、木製武器の表面を保護するため、高品質な日本製蜜蝋ワックスで最終仕上げを行います。この仕上げにより、数か月間、木材が滑らかな状態が持続します。
日頃のメンテナンスとして、月に1回、椿油等の植物性油を用いた「油磨き」を行っていただくことを推奨しています。油磨き後に、少量のワックス磨きを行うことも可能です。(木製武器表面に油が残っている場合には、ウエス等で油をふき取った後にワックスを塗布するようにしてください。)

木材について

表示したい木材の「開く」ボタンをクリックすると詳細が表示され、簡単に比較比較することができます。

イチイ樫(赤樫)

本州中南部・四国・九州に分布するブナ科の常緑広葉樹。
本来の赤樫(本赤樫)と呼ばれる材料が希少なため、近い種でもある「イチイ樫」が一般的に「赤樫」として普及されています。 イチイ樫では木刀と短刀が作られています。
打ち合い・形・素振りといった武道全般に向いています。 価格が一番お手頃で軽く、初級者にもお勧めです。

本赤樫 

本州中南部・四国・九州に分布するブナ科の常緑広葉樹。
現在は非常に希少価値が高く、一部の高級木刀の材料にも用いられています。 樫の中では一番、重硬で強靭な木刀です。
「本赤樫」では、木刀・短刀・杖・棒などの武器も作られてます。
重量・強度もあるので、打ち合いや素振り、実戦的な稽古などに大変お勧めです。

白樫

本州中南部・四国・九州に分布するブナ科の常緑広葉樹。
「本赤樫」と同様に、非常に重硬で強靭な木刀です。
「白樫」では、木刀・短刀・杖・棒などの武器も作られ、一般的なものから杖・素振木刀・流派木刀と、幅広く使用されています。
重量・強度もあるので、打ち合いや素振り、実戦的な稽古などに大変お勧めです。

イスの木 (Distilium racemocum)

本州南部・四国・九州・沖縄に分布するマンサク科の広葉樹。
近年では非常に少なくなっている樹種で、中でもその芯材の「スヌケ」は非常に貴重で、贈答用等の高級品木刀に使用されています。
「イスの木」の木刀は、薄いクリーム色から濃い茶色まで、色の濃淡の幅が一番広く、緻密な肌目が特徴です。 非常に堅く粘りがあり、比較的強いので、形中心の稽古にもお勧めです。

スヌケ (イスの芯部分)

「スヌケ」とは、樹齢約250~400年の「イスの木」(本州南部・四国・九州・沖縄に分布するマンサク科の広葉樹)のみに現れる、焦げ茶色の堅くて重い芯部です。 近年では、著しく希少化が進み、やがては手に入らなくなると言われています。
非常に強度・重量に優れている反面、粘りがないため、割れたり折れたりしやすく、打ち合いや実戦中心の稽古には不向きです。 贈答用等の高級品木刀として黒檀と並んで大変人気があり、樹齢が高いほど貴重で高価です。
※ メーカーによっては茶色塗り(着色)するスヌケの武器もありますが、星道では行っておりません。

椿 (Camellia Japonica)

本州・四国・九州に分布するツバキ科の常緑広葉樹。
近年では希少価値が高くなった木材「枇杷」に材質が似ていることから、その代用として製作されていることが多いです。
堅く緻密、かつ均質で粘りがあり、摩擦にも強くて磨り減りにくいのが特徴です。 木肌の細かさと美しい質感は装飾用・贈答用としても人気があります。

タガヤサン (Senna siamea) (完売)

最高級木材のひとつと言われ、希少価値の高い東南アジア産「タガヤサン」は、黒と焦茶色の独特な美しい縞模様が特徴です。
タガヤサンは黒檀、紫檀を含む、唐木三木の一つとしても有名です。直径が50cmほどの木で、切った直後は黒色をしていますが、空気にふれると徐々に紫色に変色していきます。
漢字で書くと「鉄刀木」と表すように、材質は非常に緻密で、硬く、粘りがあり、主に素振り用としてお薦めです。耐朽性、保存性に優れて、腐食にも非常に強いため、高級床柱、高級家具などにも使われています。

本枇杷

千葉・四国・九州など温暖な気候の土地に分布するバラ科ビワ属の常緑広葉樹。 乾燥させると非常に硬い上、粘りが強く、昔から杖の材料として利用されていました。
激しく打ち合いをしても折れることがないことから、古来より剣術用の武器として多くの武将に好んで用いられていました。 近年では、スヌケ材と同様、原木の入手が大変困難なため、希少価値が非常に高い最高級木材となっています。
大変希少で高価な木材のため、近年では似た材質の「椿」が「枇杷」の代用として製作されることが多く、本物の「枇杷」を使ったものは「枇杷(椿)」と区別化するために「本枇杷」と言われています。

ブナ (Fagus crenata)

北海道南部・本州・四国・九州に幅広く分布するブナ科の落葉広葉樹。
樫材に比べると強度は劣りますが、堅く均一な材質で、肌目は緻密、色合いは淡い黄白色です。
樫材よりも若干軽く、女性や子供用にお勧めです。
※ 特注品製作も可能ですが、強度が足りないため杖や棒の製作は推奨しておりません。

(Paulownia)

北海道南部以南に分布するゴマノハグサ科の落葉広葉樹。
国産の木材の中では非常に軽く、柔らかい木材なので、打ち合いなどには不向きですが、手の内、力の入れ具合、肩周りの感覚など、木刀を振るうえでの繊細な感覚を鍛えるには軽量の木刀が最適です。 また、肩を痛めている方や女性、子供にもお勧めです。
※ 特注品製作も可能ですが、強度が足りないため杖や棒の製作は推奨しておりません。

紫黒檀

「鉄木」とも言われております。 インドネシア・ボルネオ・フィリピン等、東南アジア原産のクスノキ科の常緑広葉樹。
水中でも100年の耐久力がある木として、「鉄木」と書かれるとおり、耐久性と強度を保持する超硬質な木材です。
材質は、曲がり等の狂いが極めて少なく、ポリフェノールが大量に含まれているため、強力な抗菌・防腐作用があります。
強度・重量に優れているため、主に素振りに適しています。

縞黒檀

インドネシアを中心に東南アジア全域に生息するカキノキ科の常緑広葉樹です。
成長速度が極端に遅く、やがて手に入らなくなるといわれている希少な木材です。
木目は黒と焦げ茶色の独特な縞模様で、その美しい木目は装飾用・贈答用に人気があります。
非常に重硬で強靭な反面、粘りがないため、割れやすく、打ち合いのような実戦中心の稽古には不向きです。
※ メーカーによっては茶色塗り(着色)する武器がありますが、星道では行っておりません。

本黒檀

インド・スリランカや東南アジア全域、アフリカの一部地域に広く分布しているカシノキ科カシノキ属の常緑高木。 当ショップで扱っているのは厳選されたアフリカ産の最上級の本黒檀です。
成長速度が極めて遅く、直径が20cmになるのに約200年程かかると言われています。 近年では植林が間に合わず、非常に希少価値の高い最高級木材のひとつです。
通常の木目は黒と焦茶色の縞模様を呈しており「縞黒檀」と呼ばれていますが、稀に縞のほとんどない漆黒に近い木目のものを「本黒檀」と呼びます。
材質は非常に重厚・強靭な反面で、粘りがないため折れやすく、実戦用には不向きです。
希少価値の高い高級木材のため、鑑賞用・贈答用として最適です。

木材比較一覧

木材 原産 大刀重量 強度 用途・対象 価格
イチイ樫 九州 約 450~500 g *** 初級者 *
本赤樫 九州 約 480~580 g **** 打ち合い **
白樫 九州 約 500~600 g **** 打ち合い **
イスの木 九州 約 480~580 g *** 型・女性用 ***
スヌケ 九州 約 600~700 g ** 素振り・贈答品 ****
椿 九州 約 450~500 g *** 女性用・贈答品 ****
本琵琶 九州 約 520~580 g ***** 打ち合い・贈答用 *****
北海道 約 150~200 g * 剣の舞・型 **
ブナ 九州 約 350~400 g ** 子供用・女性用 *
紫黒檀 東南アジア 約 550~650 g ** 素振り・贈答品 ***
タガヤサン 東南アジア 約 600~700 g ** 素振り・贈答品 ****
縞黒檀 東南アジア 約 700~750 g ** 素振り・贈答品 ****
本黒檀
アフリカ(ガボンとカメルーン) 約 750~800 g ** 素振り・贈答品 *****

※ 重量や強度は、木材の水分含有量や部位によって値は変わるため、あくまでも目安としてお考えください。
※ 木材の色味や重量などこだわりのあるお客様は、ご注文時にお気軽にお問い合わせ下さい。 できるかぎり、お客様のご希望に見合った商品を在庫から選んでお送りさせて頂きます。 ご購入後の交換も可能ですが(文字彫り入り、特注木刀を除く)、その場合の往復送料はお客様ご負担となります。予めご了承下さい。

文字彫りについて

当店に完備している最高級レーザー彫刻機で文字彫りを行っています。 彫りの深さを調整でき、武器の強度には影響がございません。 また、お客様の要望に合わせた文字彫りも可能です。
デザイン、書体はお気軽にご相談下さい。但し、旧漢字など書体によっては対応不可の場合もございます。 予めご了承下さい。
オーダーを受けてからお届けまで、短納期での仕上がりが可能です(5営業日以内の出荷が可能です)。
詳しくは:刺繍・文字彫りについてをご参照下さい。

~木刀製作の伝統工芸士~ インタビュー


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